北朝鮮の「弾道ミサイル」が発射された31日早朝、沖縄県内各地ではサイレンが鳴り響き、緊張感に包まれた。県庁や石垣市役所では職員らが対応に追われたが、過去のミサイル発射時も被害は出なかったことなどから、県民は困惑しつつも落ち着いていた。
 沖縄県の玉城デニー知事は県庁で危機管理対策本部会議を開き、今後の対応を確認した。名護市内で予定されていた九州地方知事会議には遅れての参加を余儀なくされるなど業務への影響が出ており、大型で強い台風2号への対応も重なり、ある県職員は「いつまで続くのか」と案じた。
 石垣市は、SNSでも発射の情報を発信。職員は防災行政無線で「安全を確保し、待機して」と市民に呼び掛けた。職員は「落下物の有無などを確認するため、情報収集に当たる」と緊迫した様子で話した。
 沖縄都市モノレールは一時運転を見合わせたが、午前7時5分ごろ再開。那覇市中心部では、通常の出勤風景が見られた。会社員の男性(38)は「地下に避難と言われても、地下鉄も地下街もない。どうしろと言うのか」と困惑した表情を見せた。
 那覇市に住む介護事務職員の中里遥菜さん(22)は「警報が聞こえ、とりあえず窓から離れた。沖縄本島に落ちる弾道ではないと聞いていたので、恐怖感はなかった」と話した。同市在住の男性(50)は「ミサイル発射は繰り返されるが被害が出ないので、まひしてきている」と語った。 
〔写真説明〕「弾道ミサイル」発射後も観光客でにぎわう那覇市の国際通り=31日午前

(ニュース提供元:時事通信社)