軽井沢バス事故の判決を受け、遺族らは8日、長野市内で記者会見した。次男の寛さん=当時(19)=を亡くし、遺族会の代表を務める父の田原義則さん(57)は「会社側の責任を認めた判決は非常に大きい」と語り、「(実刑)判決が警鐘となり、利益ではなく安全最優先の会社経営に少しでもつながれば」と、再発防止への思いを述べた。
 長女の衣里さん=同(19)=を亡くした池田彰さん(58)は「私たち遺族の思いが伝わった」と話した。「娘は戻ってこない。今後同じようなことが起きないことが私たちのせめてもの望みだ」とし、「業界も含めて裁判の結果を受け止め、安全に対して見直しを進めてほしい」と望んだ。
 長男の陸人さん=同(19)=を亡くした大谷慶彦さん(58)は「事故から7年以上、遺族は苦しんでおり、この苦しみは今後も続く」と胸の内を明かした。「これ以上われわれ家族を苦しめないために、控訴はやめてほしい」と訴えた。
 田原さんは「判決で終わりにせず、再発防止の活動は、遺族会として今まで以上にやっていきたい」と決意を新たにした。 
〔写真説明〕軽井沢バス事故の判決を受け、記者会見する(左から)遺族の田原義則さん、大谷慶彦さんら=8日午後、長野市

(ニュース提供元:時事通信社)