【ロンドン時事】スウェーデンの首都ストックホルムで28日、イスラム教の聖典コーランを燃やす抗議活動があった。北大西洋条約機構(NATO)加盟を目指すスウェーデンでは1月にも同様のデモが起き、加盟国トルコの反発で手続きが遅延。再度の抗議活動を受けてトルコが一段と態度を硬化させ、加盟問題に影響する可能性がある。
 ロイター通信などによると、モスク(イスラム礼拝所)外で行われた抗議活動は2人による小規模なもので、1人がコーランを破き、それで自分の靴を拭いた後に燃やした。火を付けたのはイラクから数年前に逃れてきた難民の男性で、コーランの内容を批判していたとされるが、詳細は不明だ。
 周囲にいた約200人がこの様子を目撃し、「(コーランを)燃やせ」と叫ぶ賛同者もいたという。また、2人の行動を非難し石を投げようとした男が警察に拘束された。
 抗議活動を巡っては、警察当局が事前に実施を許可すると発表していた。クリステション首相は記者会見で「合法だが適切ではない」と指摘。加盟問題に影響が及ぶかどうかに関しては言及を避けた。
 一方、トルコのエルドアン大統領は「イスラム教徒への侮辱は表現の自由ではない」と強く反発した。フィダン外相は「卑劣な行為」がイスラム教の犠牲祭初日に行われたと非難した上で、「見て見ぬふり」は許されないと強調。スウェーデン政府を強くけん制した。 
〔写真説明〕28日、ストックホルムのモスク(イスラム礼拝所)外で抗議活動を行う男性(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)