【ソウル時事】米韓両軍は21日、朝鮮半島有事を想定した定例の合同演習「乙支フリーダムシールド(自由の盾)」を開始した。核・ミサイル能力を高める北朝鮮への抑止力を強化するため規模を拡大し約30の野外機動訓練を行う。一方、北朝鮮はミサイル発射訓練の実施を発表し、演習への対抗姿勢を示した。
 尹錫悦大統領は21日の閣議で「北朝鮮は戦争目的達成のためにあらゆる手段を総動員し核の使用も辞さないだろう」と指摘。現代の戦争は、偽情報による心理戦やサイバー戦、正規戦が混合し、「民間と行政・軍が共に国家総力戦の遂行能力を向上させる努力が必要だ」と訴えた。
 演習は31日までで、偽情報を流布して世論を操作する心理戦やサイバー攻撃への対処も想定する。23日には韓国の全国民が参加した空襲避難訓練を6年ぶりに実施。中央省庁と地方自治体、公共機関など約4000機関から58万人が参加し戦時態勢への転換の訓練も行う。 

(ニュース提供元:時事通信社)