大地震の際に自分たちが働くオフィスビルがどうなるかを知ることは重要(イメージ:写真AC)

首都直下地震や南海トラフ地震が発生した際、オフィスビルの構造やビル管理(防災センター)の行動は、東京や大阪、名古屋などの大都市部にオフィスを構える企業のBCPに大きく影響を与えます。

そもそも自分たちが働くオフィスビルは巨大地震に際し、何ができて何ができなくなるのか、どういう状況が想定されるのかを知ることは、テナント企業のBCPにとって非常に重要です。以下、17の確認事項について、その意図を含めて解説していきます。

ビルの構造や防災センターの初動を確認する

1.ビルの耐震構造について
①ビルの耐震構造は、耐震、免震、制震などの分類としてどれにあたりますか?

②長周期地震動およびパルス性地震への対応機能がありますか?

③ビル周辺で震度6弱以上の地震が発生した場合、想定される建物被害レベル(軽微な被害、小破、中破、大破)と耐震性能グレード(S、A、B)を教えてください。

④巨大地震の発生後、構造体に小破レベル以下の損傷が見られる場合、構造体の修復補修を行い、当初の機能を回復することを基本方針にしていますか?
ビルの構造によって受ける影響がおおまかに把握できる(イメージ:写真AC)

【解説】
これらの確認事項には、オフィスビルの耐震構造の確認と、想定される構造被害レベルを把握する目的があります。これらの指標を確認することで、避難行動の要否、発災後にオフィスとして機能するか否かを大まかに確認することができます。

2.ビル管理(防災センター)の初動について
⑤巨大地震発生時、ビル管理(防災センター)として、テナントへの避難勧告や被害状況報告など、対テナントへの対応ポリシーがありますか?もしある場合には、基本方針や行動指針、報告の項目と報告タイミングを教えてください。

⑥発災の強度(震度5強、6弱、6強、7、津波の影響の有無など)や状況に応じた対応の違いがありますか?

⑦上記連絡あるいは報告を行う手段は何を想定していますか?(代表電話、担当者の携帯電話、携帯電話SMS、電子メール、LINEなど)

【解説】
ビル管理(防災センター)が初動に際してどのような行動を取るかを確認し、その内容にもとづき、各テナント企業はそれぞれの初動行動を検討します。館内放送か個別連絡かによっても、テナント企業の初動は変わります。また、ビル管理の通信手段の想定と、各テナントが想定しているシナリオとの違いも確認します。

3.危険の判断
⑧巨大地震発災後、ビルの被災状況において、テナントがビル内もしくはフロア内の一部エリアに滞留することが「危険」と判断するのは、どのような状況ですか?(壁のクラックが相当数見られる、天井部分(ボード、照明、空調等)が落ちている、等)

⑨上記の状況において「危険」と判断された場合、テナントへは、どのような内容で連絡を行いますか?

【解説】
発災後、ビルの内部に滞留することが「危険」であるかどうかは、特に復旧フェーズに際して、そのビルが継続して使えるかどうかの判断となります。本来は「建物応急危険度判定」を専門家にしてもらうことになりますが、発災後、直ぐに対応してもらえるとは限りません。オフィスビルの「危険度」は、復旧のBCP対応に大きく影響します。