23日午前10時ごろ、東北、上越、北陸新幹線で停電が発生し、広範囲に及ぶ区間で終日運転を見合わせた。架線トラブルが停電の原因で、同日午後2時45分ごろには、トラブルがあった現場付近で爆発音があり、男性作業員2人がやけどを負って搬送された。復旧作業に向かった作業員が感電するなどしたとみられる。
 終日運転を見合わせたのは、東北新幹線の東京―仙台間、上越・北陸新幹線の東京―高崎間の各上下線。運休と遅延で、計約12万500人に影響が出た。JR東日本は24日始発からの運転を計画しているが、一部列車は同日の運休が決まった。
 同社によると、上野―大宮間の上り線で、約150メートルにわたり架線が垂れ下がっており、23日午前に上りの北陸新幹線「かがやき504号」が通過した後に停電が発生したとみられる。列車のパンタグラフ2カ所や車内の窓ガラス1枚などに破損が見つかったという。
 また同日午後には、「線路上で火災が発生した」と119番があった。
 JR東や埼玉県警によると、復旧作業に向かった50代ぐらいの作業員1人が感電し、全身やけどの重傷。別の作業員(48)は火の粉を振り払おうとし、両手にやけどを負った。搬送時、2人とも意識はあったという。
 架線などのトラブルがあった上野―大宮間では上下4本の新幹線(乗客計約1400人)が停車。このうち、かがやき504号の乗客は、はしごで降車した後、同日午後1時半すぎまでに高架から非常階段を使って避難した。乗客359人にけがなどはなかったという。残る3本の下り新幹線は上野駅に自力で引き返した。 
〔写真説明〕東北・上越・北陸新幹線の上野―大宮間で垂れ下がった架線(JR東日本提供)
〔写真説明〕立ち往生した新幹線を降り、高架から地上に誘導される乗客=23日午後、さいたま市中央区

(ニュース提供元:時事通信社)