総務省消防庁は23日、2023年版の消防白書を公表した。つながりやすい通信手段や水、食料の確保など、非常時でも自治体が業務を続ける上で「特に重要な6要素」全てを網羅した業務継続計画(BCP)を作っている市区町村は4割にとどまり、白書は「依然低い」と指摘した。
 23年が関東大震災100年だったことから、白書は地震発生時の自治体の備えを特集の一つに据えた。
 BCPで特に重要な6要素は、内閣府が自治体向け手引で定めたもので、(1)首長不在時の明確な代行順位や職員の参集体制(2)本庁舎が使えなくなった場合の代替庁舎の特定(3)電気、水、食料等の確保(4)災害時にもつながりやすい多様な通信手段の確保(5)重要な行政データのバックアップ(6)非常時優先業務の整理―。
 BCP自体の策定率は都道府県で100%、市区町村で97.9%(1705自治体)と高かったが、このうち6要素全てを盛り込んだ計画を策定済みなのは都道府県で91.5%(43自治体)、市区町村で40.4%(689自治体)だった。
 消防庁は6要素を網羅したBCP策定を支援し、「大規模地震の被害の軽減・最小化につながるよう取り組んでいく」と強調した。 

(ニュース提供元:時事通信社)