【ロンドン時事】英国のシンクタンク「国際戦略研究所(IISS)」は13日、世界の軍事情勢を分析した報告書「ミリタリー・バランス」の2024年版を公表した。それによると、開始から間もなく2年となるロシアのウクライナ侵攻を背景に、北大西洋条約機構(NATO)加盟国などで防衛予算が拡大。23年の世界全体の防衛支出は「記録的」な規模となる総額2兆2000億ドル(約329兆円)で、前年比9%増だった。
 報告書は、ウクライナ侵攻のほか、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘など多くの紛争が「各国の防衛産業の構造を変えた」と指摘。米国を除くNATO加盟国だけを見ても、ロシアがウクライナ南部クリミア半島を併合した14年時点と比べて防衛費が32%増えたとし、「ロシアの行動が西側の(軍備増強という)反応を引き起こしている」と分析した。 
〔写真説明〕ロシア軍陣地に向け、榴弾砲を発射するウクライナ軍の砲兵=2023年7月、バフムト近郊の前線(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)