【サンパウロ時事】南米に広がるアマゾン熱帯雨林が2050年までに、後戻りできない「転換点」に達し、森林の約半分が壊滅的打撃を受けかねないとする研究成果が15日付の英科学誌ネイチャーに掲載された。世界最大の熱帯雨林が地球温暖化や森林破壊、干ばつなどにより「これまでにない圧力にさらされている」ためだと警告している。
 ブラジルなど南米数カ国が共有するアマゾンの森林は、世界で排出される二酸化炭素(CO2)の15~20年分相当を吸収し、ためている。水分の大気への放出を通じて気温の実質的な引き下げにも寄与している。
 研究は、ブラジルのサンタカタリーナ連邦大学のベルナルド・フローレス氏らのチームが実施した。気候の変化に対して強靱(きょうじん)性を示していたアマゾンの森林に関して、50年までに全体の10~47%が「予想外の生態系の移行の引き金となり得る」要因にさらされると推計。強靱性が低下して森林の劣化につながる結果、CO2の吸収力が弱まるなどして「気候変動を悪化させる可能性がある」と結論づけた。 

(ニュース提供元:時事通信社)