【シリコンバレー時事】米ブルームバーグ通信は27日、米アップルが電気自動車(EV)事業への参入を断念すると報じた。開発の遅れに加え、経営陣が収益性に疑念を抱くようになった。EV事業に携わってきた約2000人の従業員の多くが生成AI(人工知能)部門に異動するという。
 アップルは2014年ごろから秘密裏にEV開発に乗り出した。スマートフォンを中心に巨大なアプリ経済圏を築いた同社が、車内空間を大きく変える可能性に注目が集まった。ただ、担当幹部の交代もあり事業進捗(しんちょく)は思わしくなく、完全自動運転といった当初の野心も次第に後退した。
 今年1月には、アップルがEVの発売時期を2年遅らせ、28年以降に設定したとも報じられた。自動運転も、特定の条件下でシステムが運転を担う「レベル4」から、ハンドル操作を補助する「レベル2プラス」に引き下げたという。
 EV担当の従業員は、出遅れが指摘されている生成AIの分野に配置されるもよう。ただ、デザインなどを担当していた一部の人材は解雇される可能性がある。 

(ニュース提供元:時事通信社)