宮城県内11市町と、福島県内3市町に給水する相馬地方広域水道企業団が、水道管の漏水調査の共同発注に向けた基本合意を結ぶことが12日、関係者への取材で分かった。県域を越えた多数の自治体による調査業務の共同発注は全国初という。人口減少を背景に水道事業の経営環境が厳しさを増す中、コスト削減や業務効率化につなげる。
 共同発注に取り組むのは、宮城県内の気仙沼、白石、角田、登米、栗原、富谷6市、村田、柴田、丸森、大郷、涌谷5町のほか、福島県の相馬市と新地町、南相馬市の一部に給水する相馬地方広域水道企業団。19日に宮城県庁で基本合意の締結式を行う。
 漏水の特定には、人工衛星を活用した調査手法を導入。今夏ごろの共同発注を目指す。
 自治体が経営する水道事業は、人口減少に伴い収入の低下傾向が続いている。宮城県が昨年5月ごろから経営改善に向けた検討会を複数回実施したところ、県内11市町と相馬地方広域水道企業団が漏水調査の共同発注に前向きな姿勢を見せた。
 宮城県は今後、水道メーターなどの資機材の調達や水道事業の他の調査業務でも広域連携を進めたい考え。関係者は「東日本大震災で水の安定供給の大切さを痛感した。基本合意が水道事業広域化の一助になれば」と話している。 

(ニュース提供元:時事通信社)