【北京時事】中国報道機関の団体、中華全国新聞工作者協会は13日、河北省で発生した爆発事故の現場で国営中央テレビの記者が取材を妨害されたとして、当局への抗議声明を発表した。中国メディアは共産党の見解を忠実に代弁する「党の喉と舌」と呼ばれ、当局に対する批判は異例だ。
 河北省三河市燕郊では13日朝、飲食店などが入る雑居ビルで爆発事故が発生。7人が死亡、27人が負傷した。SNSでは同日、事故現場で治安要員とみられる男性が中央テレビの中継を遮ったり、大勢で記者を取り囲み移動させたりしている様子を捉えた映像が拡散した。
 同協会は声明で「正当な取材は記者の権利だ」などと主張。三河市政府は14日、公式サイトで「現場職員の乱暴な行動が誤解を招いた。深く反省し、謝罪する」と釈明する事態に追い込まれた。
 習近平政権は「国家安全」の維持を重視し、社会不安を助長する恐れのある報道に神経をとがらせている。13日の事故後、現場周辺は立ち入りが厳しく制限された。 
〔写真説明〕13日、中国河北省の爆発事故現場で取材を妨害される放送局関係者(前列の2人)(中国のSNSより・時事)
〔写真説明〕13日、中国河北省の爆発事故現場でテレビの中継を妨害する男性(右)(中国のSNSより・時事)

(ニュース提供元:時事通信社)