【北京時事】神戸学院大に勤務する中国人の胡士雲教授が昨年夏に中国に一時帰国して以降、消息不明となっていることが18日、分かった。同大が明らかにした。日本在住の家族も連絡が取れない状態だといい、中国当局に拘束された可能性もある。
 同大によれば、胡教授は江蘇省出身。2015年から同大に勤務し、中国の古典などを担当していた。大学の前期の授業を終えた昨年8月以降、一時帰国し、9月下旬ごろに「まだ帰ってこない。連絡も取れない」と家族から連絡があった。大学は今月中旬、在大阪中国総領事館に安否確認を求めたが、回答はないという。
 中国では「国家安全」を重視する習近平国家主席の下、外国人や外国と関わる中国人への監視が強まっている。昨年7月には「スパイ行為」の定義を拡大する改正反スパイ法が施行された。同法は規定があいまいで、恣意(しい)的な運用への懸念が広がっている。 
〔写真説明〕消息不明となっている神戸学院大に勤務する中国人の胡士雲教授(同大提供)

(ニュース提供元:時事通信社)