ロシア・モスクワ北西郊外のコンサート会場で22日夜に起きた銃乱射事件で、過激派組織「イスラム国」(IS)は23日、系列のアマク通信を通じ、実行犯らが現場で撮影した動画を公開した。来場者らを狙う様子が映っており、目撃者が撮影したものとは異なる。ISが改めて犯行を主張した格好だ。
 動画には撮影者を含めて実行犯4人が映っている。「殺せ」「異教徒は敗北する」と叫び声が収められ、独立系メディア「バージニエ・イストーリー」は「うち2人の服装がロシア西部ブリャンスク州での拘束時と同じだ」と指摘した。
 一方、英BBC放送(ロシア語電子版)は23日、実行犯のうち2人が現場や逃走先で殺害されたと伝えた。連邦保安局(FSB)のボルトニコフ長官は23日、ほかの実行犯4人を拘束したとプーチン大統領に報告。6人は中央アジアの旧ソ連構成国タジキスタン国籍とみられ、テロ容疑で捜査が始まった。
 火災が発生した会場では遺体の捜索・収容が進んでいる。当局は約150人が死亡したと明らかにしていたが、24日までに137人が死亡し、62人の身元が確認されたと発表した。 
〔写真説明〕モスクワ郊外のコンサート会場襲撃事件の現場を撮影したとされる動画(過激派組織「イスラム国」=IS=系列メディアが24日公開)
〔写真説明〕23日、モスクワ郊外で起きた銃乱射事件現場で、がれきの撤去や消火活動に当たる救急隊員=ロシア非常事態省の映像より(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)