小林製薬(大阪市)が製造した紅麹(べにこうじ)配合サプリメントを摂取した人に健康被害が確認された問題で、厚生労働省の専門調査会は28日、同社の紅麹原料を使用した製品について、今後の対応を協議した。厚労省は原料を入手した173社を公表。各社に対し、来月5日までに健康被害の有無を報告するよう求める対応案が了承された。
 小林製薬から原料を直接入手した52社には、今月29日までの報告を要請する。調査会には小林製薬の役員らも出席し、製造工程や品質管理体制などを説明した。同社は近く「紅麹コレステヘルプ」などのサンプルを提供し、国立医薬品食品衛生研究所が解析を進める。
 同社は22日、紅麹サプリに関する健康被害を明らかにし、「ナイシヘルプ+コレステロール」と「ナットウキナーゼさらさら粒GOLD」を含む約30万袋の自主回収を発表。27日には大阪市が食品衛生法に基づく回収命令を出した。
 厚労省によると、3商品には1日の摂取目安量当たり、100ミリグラムの紅麹原料が配合されている。小林製薬から原料供給を受けた各社に対しては、▽同社の紅麹原料を使用し、1日当たり100ミリグラム以上の紅麹を摂取する製品▽過去3年間で医師から健康被害が報告された製品について、自主点検を踏まえた上で報告を求める。
 同省によると、サプリを服用して入院した人は重複計上などがあったため、106人から93人に修正された。小林製薬側には27日時点で、約1万2000件の相談が寄せられているという。 
〔写真説明〕小林製薬の紅麹(べにこうじ)原料を使用した製品の対応を協議する厚生労働省の専門調査会=28日午後、東京・霞が関

(ニュース提供元:時事通信社)