【カイロ時事】イスラエルのメディアは31日、パレスチナ自治区ガザでの戦闘休止や人質解放についてイスラム組織ハマスとの間接交渉に臨むため、同国代表団がカイロに到着したと報じた。カタールと共に仲介役を担うエジプトのメディアは、31日にも交渉が再開されると伝えた。
 ハマス関係者はロイター通信に、イスラエルと仲介国の協議の結果を待つと説明。イスラエルが要求をまとめ、その後ハマスが回答するとみられる。
 交渉は、6週間の戦闘休止と引き換えに、ハマスが昨年10月7日のイスラエル奇襲の際に連れ去った人質のうち、約40人を解放することが基本的枠組みとされる。イスラエルとハマスは間接交渉を重ねてきたが、ハマス側が要求する恒久停戦やイスラエル軍のガザからの撤退、避難民のガザ北部への帰還をイスラエル側が拒否。双方の隔たりは埋まっていない。
 軍事的圧力で交渉を優位に進める立場を崩さないイスラエル軍はガザへの攻撃を続け、報道によると31日、ガザ中部の病院の敷地を空爆した。軍は武装組織「イスラム聖戦」の指令センターがあったと説明。病院自体への損害はないと主張した。
 軍は30日、中旬から集中的に攻めているガザ北部のシファ病院をハレビ軍参謀総長が29日に視察したと発表した。ハレビ氏は多数の戦闘員とハマス幹部を殺害し、「非常に高いレベルで目標を達成した」と強調。ただ、「作戦は終わっていない」とも述べた。 
〔写真説明〕30日、パレスチナ自治区ガザ南部ラファで水をくむ子供たち(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)