2024/04/01
防災・危機管理ニュース
政府は1日、総合的な防衛体制強化の一環で、平時から自衛隊や海上保安庁が使用できる「特定利用空港・港湾」の第1弾として、7道県の16施設を選定した。南西有事などをにらみ、平時でも活用可能にすることで対応能力の向上を図る。2024年度予算に関連費約370億円を計上した。
持ち回りの関係閣僚会議で決定した。選ばれたのは、空港が北九州空港(福岡県)や那覇空港(沖縄県)など4県5施設。港湾が釧路港(北海道)、苫小牧港(同)、高松港(香川県)、博多港(福岡県)、石垣港(沖縄県)など5道県11施設。
弾道ミサイル発射への対応や周辺海域の警戒監視などでの使用を想定。災害時には離島住民の避難や救援部隊の派遣にも活用する。大型の輸送機や艦艇が利用可能となるよう、今後、滑走路の延伸や海底の掘り下げなどを進める。
16施設については、空港・港湾の管理者である地方自治体や管理組合と円滑利用に関する枠組みを締結。「緊急性が高い場合、施設利用の合理的な理由があると認められれば、自衛隊・海保が柔軟かつ迅速に施設を利用できるよう努める」と明記した。各施設の利用は「多くとも年数回」にとどめるとし、住民の懸念に配慮した。
政府は22年末に改定した国家安全保障戦略に公共インフラの整備を盛り込み、「国民の保護への対応、平素の訓練、有事の円滑な利用・配備」を進める方針を示した。
これを受け、関係自治体などと協議を進めてきた。福井、熊本、鹿児島各県からは「施設が所在する自治体への説明不足」などを理由に了解が得られず、沖縄県でも国や市が管理する2カ所以外の施設については今回の選定を見送った。
林芳正官房長官は1日の記者会見で「自衛隊、海保が必要な空港・港湾を平素から円滑に利用できることは抑止力や対処力を高める。引き続き丁寧な説明に努める」と述べた。
(ニュース提供元:時事通信社)
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