【ワシントン、北京時事】イエレン米財務長官は5日、中国広東省広州市で開かれた会合で、「中国は外資系企業への非関税障壁や米企業への威圧的な行動など、不公正な経済慣行を続けている」と懸念を示した。今後予定されている中国政府高官との一連の会談で、是正を促す方針を表明。「ビジネス環境の改善を通じ、中国の利益にもなる」と訴えた。
 現地の米企業幹部らとの会合で話した。イエレン氏は「直接、間接の政府支援が中国の国内需要を上回り、世界市場の重荷となる過剰生産能力につながっている」と改めて対応を要請。「政策が供給拡大だけを目指し、内需を生み出さなければ、世界市場に悪影響が波及する」と語った。
 米国では、中国当局による改正反スパイ法の恣意(しい)的な運用といった米企業への「威圧的な行動」への懸念が高まっている。米政権は、鉄鋼や電気自動車(EV)、太陽光発電設備などへの中国の巨額補助金も問題視している。
 イエレン氏は5日、広州で何立峰副首相と会談した。「健全な経済関係には、公平な競争条件を提供しなければならない」と中国の補助金問題などをけん制。中国メディアによると、何氏は「経済関係の懸念点について適切に話し合う」などと強調した。会談は6日まで行われる。 

(ニュース提供元:時事通信社)