【北京時事】中国の習近平国家主席は10日、北京の人民大会堂で台湾最大野党・国民党の馬英九前総統と会談し、「共同で平和統一の美しい未来を追求しなければならない」と述べた。両氏は、馬氏が総統だった2015年11月、シンガポールで歴史的な会談を果たした。約8年半ぶりの再会で中台が「一つの中国」であることを確認した。
 中国が「台湾独立派」と見なす頼清徳副総統の総統就任を来月に控え、習氏は民進党政権に対する揺さぶりを図った形だ。習氏は「制度が異なっても、両岸(中台)が一つの国に属する事実は変えられない」と強調。馬氏は「両岸の人々は同じ中華民族だ」と応じた。
 両氏による今回の異例の会談は、日米首脳会談の直前のタイミングで行われた。先進7カ国(G7)を中心とする西側諸国に対し、習氏には「台湾問題は中国の内政」とする認識を強く示す狙いがあるとみられる。習氏は馬氏に「どんな勢力もわれわれを引き裂けない」と話し、「外部の干渉」をけん制した。 
〔写真説明〕10日、北京の人民大会堂で握手する中国の習近平国家主席(右)と台湾最大野党・国民党の馬英九前総統(EPA時事)
〔写真説明〕10日、北京で握手する中国の習近平国家主席(右)と台湾最大野党・国民党の馬英九前総統(ニュースを伝える画面より)(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)