一般財団法人公共ネットワーク機構は12月5日、神奈川県民ホールにて「多機関連携による危機管理セミナー2014 横浜MCI(多数傷病者事案)シンポジウム」を開催した。

一般社団法人全国警備業協会専務理事の上原美都男氏

昨年4月に発生したボストン・マラソン爆弾テロ事件など、大規模なスポーツイベントなどにおける事件や事故により、通常の救急医療体制では対応できない多数の傷病者が発生する「多数傷病者事案(MCI=Mass Casualty Incident)」。発生した場合には自治体をはじめ、警察、消防、自衛隊など関連機関との連携が不可欠となる。来年3月に25000人が参加する初めてのマラソン大会が開催されるほか、2020年に開催予定の東京オリンピック・パラリンピックにおいても一部競技の開催が予定されている神奈川県の、MCI対応に向けた取り組みが話し合われた。

神奈川県知事の黒岩祐治氏、横浜市長の林文子氏による来賓あいさつが終わった後、元横浜市危機管理監や元警察庁審議官などを歴任した一般社団法人全国警備業協会専務理事の上原美都男氏、神奈川県安全防災局危機管理担当部長の岡﨑勝司氏、横浜市立大学大学院医学研究科救急医学教授の森村尚登氏が基調講演を行った。上原氏は「東京オリンピック・パラリンピックでは1010万人の観客数が予想されている。これに対応するには2015年春に策定予定の大会基本計画と、2016年春に策定予定の警備基本計画が重要な役割を果たす」と話した。

パネルディスカッションでは、神奈川県警察本部警備部危機管理対策課長の青山利史氏、横浜市消防局警防部救急課長の伊藤賢司氏、警視庁参事・警務部理事官の奥村徹氏、横浜市総務局危機管理室危機対処計画課長の桜井清二氏らにより、「スポーツ等大規模イベントにどう備えるか、その課題と今後の取組」について話し合われた。