風に乗って大空を舞う鷹

暑くなったり、寒くなったり、台風が来たり。寒暖の差が激しいですね。みなさま、体調崩されていませんか?
 
店頭で秋冬のお洋服が販売されているこの時期です。今日は、アウトドアのウェアリングについてお話します。

普段から暑い人、寒い人は冷暖房が使えなくなる災害時にはいつもより暑く、そして寒くなります。毎日の暑さにも寒さにも対応するアウトドアの服の着こなし術を、一生の知恵として知っておいていただければと思います。それが災害時に身を守る知恵となります。

まずは防寒の知恵から。「防寒ができても、暑さ対策はできないのでは?」と心配される方が多いですが、暑さ対策は、寒さ対策の逆をすればよいのです。防寒がわかれば暑さ対策もわかります。着る商品を覚えるのではなく、知恵を知ると真逆にも応用できます。

アウトドアでは、3レイヤーが基本型です。

3レイヤーとは、3種類の重ね着のことで、「インナー、中間着、アウター」をさします。

新素材の開発で、2レイヤーも多くでてきているのですが、専門用語がよりマニアックになり、初めての方にはハードルが高いように思えます。そこで、まずは基本形となる3レイヤーの考え方をマスターしてください。

一般的なファッション雑誌は、中間着とアウターの分類は機能ごとではなく、「インナー・はおりもの」という用語で記載されることが多いです。そのため、機能による分類は明確ではありません。羽織という古風なネーミングに由来するだけあって、見た目だけを基準にしているようにも思えます。

アウトドアのウェアリングでは、機能にあわせて3レイヤーに分かれています。ただその用語もわかりにくいように思えたので、アウトドアに全く興味がない方にもイメージしやすいよう以下のように整理しました。
 
それは、水と風と空気をコントロールするという機能です。どういうことでしょうか?3レイヤーのうち、

インナー は、水をコントロールします。
中間着  は、空気をコントロールします。
アウター は、水と風をコントロールします。


このアウターの、水をコントロールする部分については、本コラムで書きました。

『災害時も役立つレインウェアを普段使いに 「寝るな、寝ると死ぬぞ!」は間違い?』(2016年6月9日)
http://www.risktaisaku.com/articles/-/1839

再度、インナーの記事で水については詳しく書きますが、ざくっと言うとこんな話です。

雪山遭難で「寝ると死ぬ」と一般には信じられていますが、寝るから死ぬのではなく、低体温症の帰結として、意識がなくなり、亡くなっています。そして、低体温症の主な原因になるものが、服が濡れたことによる、気化熱による体温の低下です。ですので、アウトドアウェアは水をコントロールすることが命を守る事に直結しています。

今回は、アウターのもうひとつの重要な要素、風をコントロールする機能について知ってください。