2019/11/01
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
難しい行政勧告前の広域避難
この日、会議でも台風の危険性を認識した市川さんは、緊急事態宣言がありうることと、広域避難については迷いがあるものの、もっとひどい台風が来た際に役立つこともあるというアドバイスも受け、自主的広域避難検討を始め、各所に問い合わせを始めます。
ところが…
行政が広域避難勧告を出していない段階での集団での広域避難の受け入れ先の確保は難航を極めます。
この時、江戸川区の避難情報を発信するえどがわメールニュースで防災情報が発信されはじめます。
また同日午前中には、JRも12~13日の計画運休の可能性があることが報道発表されます。
この時、STEP えどがわでは集団での受け入れ先確保が難しいことが分かり、個別に受け入れ先を検討しはじめますが…
ホテル、個人宅とあたっていきますが、こちらも困難を極めます。
しかし、早期に避難を検討していたため、台風2日前の20時には、避難希望者の避難先は確保できました。
台風2日前の20時7分、事前の避難が特に必要な人や希望者の対応のめどがたち、スタッフで広域避難もしくは、垂直避難を実践していきます。
そして、次の日の台風到着1日前には、気象庁から江戸川区に荒川流域(岩渕地点上流域)3日間積算流域平均雨量300~400ミリ予報が伝えられます。
その後、自主避難者の受け入れ先についての広報が江戸川区から発信されました。
この時、STEPえどがわは、3日前から発動もありうるとお知らせしておいた緊急事態宣言を出します。
江戸川区では14時30分に江東5区による共同検討を始めます。
もう台風1日前なので、車での広域避難が可能な3日前は過ぎています。400ミリ以上で広域避難勧告となりますが、予報ではまだ400ミリ。判断が難しいところです。STEPえどがわでは、車で順次、利用者の避難を計画しているものの、慣れた自宅に少しでも長くいたい思いもあるであろう方々の移動は、当然時間がかかります。
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』の他の記事
おすすめ記事
-
情報セキュリティーは個人のリスク目線では通用しない
学生時代からパソコンを使いこなしてきた人が新入社員に多くいる昨今ですが、当然、個人と会社ではセキュリティーの重心が違います。また、人事異動で新たに着任した社員も、業務が変われば情報資産との関わり方が変わり、以前と同じ意識でのぞめばよいとは限りません。新年度にあたり、情報セキュリティーのルールは特に徹底したいところです。
2024/05/10
-
-
サイバーインシデント対応の基本知識と準備
本勉強会では、一般的な情報セキュリティインシデントとサイバーインシデントの違いや、その初動対応について事前に準備すべきことと合わせて、自社で手軽に訓練・演習を実施するためのポイントを解説します。2024年5月8日開催。
2024/05/09
-
-
炎上の原因はSNS上の振る舞いのみにあらず
新年度から仲間に加わった新入社員は「デジタルネイティブ」と呼ばれ、友人とSNS で交流するのがあたり前の世代です。が、学生時代と違い、社会人になれば取り巻く環境が変わり、自身の立場も変わる。うかつな投稿が「炎上」につながるケースは少なくありません。新人研修のテーマにSNSリスクを組み込むなどして教育を徹底したいところです。
2024/05/08
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年5月7日配信アーカイブ】
【5月7日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:令和5年度企業の事業継続及び防災に関する実態調査
2024/05/07
-
-
-
家庭の防災は企業BCPとつながっている
昨今は社員の自主防災力向上に努めている企業も多いでしょう。この時期は災害時のルール周知に余念がないと思いますが、ポイントとして提案したいのが、家庭の防災と企業BCP のつながりをしっかり伝えること。「家庭と会社は別」と考えがちですが、家庭の防災力を上げないと企業の事業継続力も上がりません。メッセージを出すよいタイミングです。
2024/05/02
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方