【ビリニュス時事】北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は10日、リトアニアの首都ビリニュスで記者会見し、スウェーデンのNATO加盟を巡り、トルコのエルドアン大統領が国内での承認手続きを進めることに同意したと発表した。4月のフィンランドに続き、スウェーデンの加盟が確実となった。
 発表に先立ち、エルドアン氏は、ストルテンベルグ氏の呼び掛けでスウェーデンのクリステション首相と会談した。加盟に難色を示してきたエルドアン氏だが、方針を一転させた。
 ただ、エルドアン氏は同意に先立ち、自国の欧州連合(EU)加盟を進展させるよう要求。トルコを巡る問題はNATOからEUにも飛び火した格好となった。
 スウェーデン加盟を巡っては、トルコとハンガリーで承認手続きが進んでいなかった。トルコの方針転換にハンガリーも追随するとみられ、スウェーデンは近く32カ国目の加盟国となる見通しだ。スウェーデンは、11日に2日間の日程で開幕したNATO首脳会議に参加。ストルテンベルグ氏は、同国を加えた「歴史的な首脳会議だ」と強調した。
 会談後の声明によると、スウェーデン・トルコ両国はテロ対策を巡り、閣僚級会合を毎年開催することで合意。NATOも対策強化の一環で、特別調整官のポストを新設する。ストルテンベルグ氏は、こうした合意の積み重ねが、トルコの方針転換につながったとの認識を示した。AFP通信によると、クリステション氏は記者団に「スウェーデンにとって良い日になった」と話した。 
〔写真説明〕10日、ビリニュスで会談する(左から)トルコのエルドアン大統領、北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長、スウェーデンのクリステション首相(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)