停電の影響で東北、上越、北陸の各新幹線が運転を見合わせた23日、JR東京駅は大勢の人でごった返した。停車した新幹線からは午後1時半すぎ、乗客359人が降車して無事避難した。
 正午すぎの東京駅。新幹線改札前には、状況を確認しようと多くの人が電光掲示板の前に集まり、電話をかけたりスマートフォンを操作したりしていた。切符の払い戻しなどのため、みどりの窓口には長蛇の列ができた。
 夫婦でスキーに行こうと軽井沢駅(長野県)までの切符を購入していた都内の無職倉沢久子さん(68)は「自分たちの新幹線の情報が分からず困っている。もう当分走らないだろうから、諦めてあすに予定を変更する」と残念そうだった。
 上野―大宮間で停車した新幹線では午後0時50分ごろから乗客の避難誘導が始まった。大きなスーツケースを手に線路を歩いてきた人もおり、開始から約50分後、全員が避難を終えた。
 30代の会社員男性は仕事で金沢から東京に向かう途中だったという。「午前10時少し前くらいにガタン(という音が)して止まった。(救助されて)一安心だ」とほっとした様子だった。
 美容サロンを経営する金沢市の女性(34)は「外を見ていたらポールのような細長いものが落ちてきてカシャンという音がし、目の前の窓ガラスがクモの巣状に割れた」と振り返った。「何時間も閉じ込められるかと思っていたが、もっと早く出られた。迅速な対応に感謝している」と話した。 
〔写真説明〕ひびが入った北陸新幹線「かがやき504号」の窓ガラス=23日、さいたま市中央区(乗客提供)

(ニュース提供元:時事通信社)