【シリコンバレー時事】米メタ(旧フェイスブック)の投稿管理を検証する有識者による監督委員会は5日、偽画像に関するルールの整備を早急に拡充するよう勧告した。米大統領選を今秋に控えて偽情報や誹謗(ひぼう)中傷が増える恐れがあるため、より包括的な対策を求めた。
 監督委は、昨年5月にフェイスブックに投稿されたバイデン大統領の加工された動画を巡り、メタが削除せずに放置した判断について審議した。動画はバイデン氏が孫娘の胸元にステッカーを貼った映像を改変。胸を触っているかのように見せかけ、字幕で「小児性愛者」と中傷した。
 現行の規約では、人工知能(AI)で作った偽画像や、人物が実際はしゃべっていないことを発言したかのように見せるのは違反に当たる。一方、動作を人の手で加工した場合は対象外。監督委はルールの不在を理由にバイデン氏の偽動画を残したメタの判断を容認した。
 ただ監督委は、現行規約が「正当性を欠き、支離滅裂で利用者を混乱させ、防ぐべき害を明確にしていない」と断じた。対象をAIなどの技術に限定しないことや、動作や音声の捏造(ねつぞう)にも範囲を広げるよう求めた。 

(ニュース提供元:時事通信社)