【サンパウロ時事】アルゼンチンの南極観測基地付近で高病原性鳥インフルエンザに感染した海鳥が確認されたと、スペイン国家機関の「科学研究高等会議(CSIC)」が25日付の報告で公表した。他の大陸からは離れた南極大陸で鳥インフルのウイルスが検出されたのは初めて。大陸に集団で生息するペンギンなどに感染が拡大する可能性がある。
 それによると、南極にあるアルゼンチンのプリマベーラ基地付近で発見されたトウゾクカモメ2羽の死骸がスペインの基地に持ち込まれ、24日に鳥インフルのウイルスが確認された。報告書は「いずれもH5亜型に感染し、少なくとも1体からは高病原性ウイルスが検出された」と指摘した。
 国際獣疫事務局(OIE)と国連食糧農業機関(FAO)が運営する組織「OFFLU」によれば、H5亜型の高病原性鳥インフルの感染は世界に広がり、2023年4月には南米南端のティエラデルフエゴで確認された。同年10月ごろには、南極に近い英領サウスジョージア島やフォークランド諸島でも鳥類からウイルスが検出されていた。 

(ニュース提供元:時事通信社)