ロシアのプーチン大統領は25日、モスクワ郊外のコンサート会場で22日夜に起きた銃乱射事件について「イスラム過激派が実行した」と初めて認めた。ただ「誰が依頼したか」「誰が利益を得るか」と疑問を提起。ロシアが侵攻するウクライナに「黒幕」がいるとの説も唱えた。
 事件では過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出し、系列メディアを通じて実行犯が現場で撮影したとする動画も公開した。
 プーチン氏は23日の国民向け声明で、テロを非難した上で、関与した全員を処罰すると約束。実行犯に関してはISと言及せず、ウクライナ側に逃亡を試みたと主張して、同国とのつながりを示唆していた。
 25日は閣僚や治安機関幹部と対策会議をオンラインで開催。この中でもプーチン氏は「(ウクライナのゼレンスキー政権は)反転攻勢が失敗し、最も汚い手段を使うことを決してためらわなかった」と述べ、実行犯とつながるイメージを植え付けようとした。 
〔写真説明〕25日、モスクワ郊外の公邸でオンライン会議に臨むロシアのプーチン大統領(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)