早い避難が消防士の命を救うことにもなります(1月6日の東京消防庁出初式より)

昨年暮れから今年に入り戸建住宅の火災が連日のように発生し多くの犠牲者が出ています(2019年2月4日現在)。共同住宅での火災も見受けられ、けが人(煙による中毒)も出ています。

2月3日も新潟市秋葉区で木造住宅が全焼し4人が死亡、19歳女性が2階から飛び降りて骨盤骨折と気道熱傷で重体となっています。青森県八戸市でも2件の住宅火災がありそれぞれ3人と1人が犠牲になっております。

また、1月22日には秋田県能代市で救助で建物に進入した消防士2人が殉職し、さらに30日には東京都八王子市でも消防士が1人が殉職しました。能代では逃げ遅れた2人は無事でしたが八王子では1人が犠牲となりました。

殉職された3人の消防士はいずれも32歳、26歳、22歳と将来のある若者です。私の子どもと同じ年なので他人ごとではありません。心よりご冥福をお祈りいたします。

何時も犠牲になるのは最前線で対応している人たちです。殉職した経緯や問題点などは早急に洗い出しをしてこのような悲劇が2度と起きないようにしてください。強くお願いします。

あえてここで提言します。逃げ遅れの人がいなければ消防士はリスクを負ってまで建物の中には進入しません。だから「逃げ遅れるな!」と強く言わせてもらいます。

「火災発生→逃げ遅れ有り→消防士殉職」最悪の流れです。

2017年2月の埼玉県三芳町の物流倉庫火災では幸いに逃げ遅れがいなかったので消防士が怪我や最悪の事態はなかったのですが、もし逃げ遅れがいたら殉職者が出ていたかもしれないと専門家の間でも話が出ています。

火災を出さないよう予防注意はもちろん一番大事ですが、火災になってしまったらどうするか、脱出するためには何が必要か、救助に来てもらうまでの時間稼ぎをどうするかを徹底的に啓蒙・教育・装備・訓練しないとこのような悲劇は続きます。ビルや商業施設や一定の大きさを超えた集合住宅では消防設備の設置義務や保守点検及び報告義務さらに消防訓練などが消防法で課せられていますが、戸建の場合はほとんどありません。しかし火災の犠牲者のほとんどは戸建住宅での火災です。さらに消防士が犠牲になったのも戸建住宅火災です。