死者58人、行方不明者5人を出した御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)噴火から9年を迎えるのを前に、長野県が23日、火山防災の取り組みを紹介するシンポジウムを木曽町で開催した。阿部守一知事は「悲惨さや教訓を次の世代に伝えていくことが大事だ」と述べた。
 長野県は今年、噴火が発生した9月27日を「信州 火山防災の日」に制定。記念して開かれたシンポジウムで、阿部知事は「行政と研究機関の連携協力は極めて重要だ」と話し、研究や対策への積極的な支援を国に要望した。
 基調講演した火山噴火予知連絡会の清水洋会長は、噴火の時期や場所などに関する研究は進む一方、噴火の規模や噴石の飛散範囲などの予測は難しいと指摘。研究から警報までを一体的に行う体制づくりが必要だとし、「噴火予知の実力を上げないといけない」と強調した。
 この他、県内にある活火山の観測体制が紹介され、防災教育の取り組みなどに関するパネル討論が行われた。 
〔写真説明〕火山防災シンポジウムで基調講演を聴く参加者ら=23日午前、長野県木曽町
〔写真説明〕火山防災シンポジウムで発言する長野県の阿部守一知事(中央左)=23日午前、長野県木曽町

(ニュース提供元:時事通信社)