東日本大震災を踏まえたBCP/BCM の再考
想定外と危機管理

三菱総合研究所 主任研究員 石井 和


三菱総合研究所 科学・安全政策研究本部社会イノベーショングループ 主任研究員。専


門は、危機管理(防災・業務継続、テロ、感染症、訓練)など

今回の震災では、被災地内外の大企業から中小企業まで、様々な被害・影響が及んだ。特に30 メートルを超える津波や、原発事故の問題など「想定外」とされる事態への対処に苦慮された企業は多いだろう。企業によって業態別あるいは個別の事業環境に応じた課題はいろいろあると考えられるが、本震災における企業の対応課題等を踏まえ、事業継続を含めた企業の危機対応という観点から、計画見直しのポイントを整理した。

■想定外に対する危機対応計画(BCP 含む)の問題点

○事前のアセスメントと異なる状況(津波被害、原子力災害、計画停電、燃料不足・・・)が複合的に発生した状況において、柔軟に計画を運用できなかった。種々の危機対応計画が、固定的な被害イメージのもと作成され、柔軟性を欠いたものであったといえる。
○「拠点機能は維持される」など、都合のよい前提条件のもとで事前のアセスメントを行ってきたため、その前提が崩れた状況での対処に戸惑った。
○事業効率上、投資負担が大きく実現が不可能なケースについては、暗黙のうちに想定の壁をつくり、課題を先送りしてきた。

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