アメリカの専門家が語る日本での普及の障壁

患者のカルテなど医療情報をクラウド上で管理する取り組みがアメリカで普及している。一方、日本は一般的にはクラウドは主流になりつつあるものの、医療分野については個人情報保護などを懸念する医療機関が多く、ほとんど取り入れられていない。しかし、福島第一原発事故後、福島県のある地域ではクラウドを使った試みが医療活動を支えた。日米におけるクラウド型医療情報システムの現状を取材した。

遠隔地で医療情報を共有
福島第一原発事故で放射線被害が広がった福島県。震災後の医療を支えた影にはクラウドの存在があった。

東日本大震災後、東北地方には、全国からDMAT(災害派遣医療チーム)や日本医師会に登録する医師が医療活動の支援に訪れた。しかし、福島に限っては放射線被爆を恐れ、全国からなかなか医師が集まらず、せっかく来ても滞在時間は短く、患者の診察や診断の履歴がうまく引き継がれない状況に陥った。 

こうした中、九州大学大学院の永田高志助教(先端医療医学部門災害・救急医学)らが中心となり、クラウド型医療情報システムを活用した日本医師会災害医療チームJMATによる医療活動を開始。福島県新地町にある仮設診療所では、先に活動を行っていた医師と医療スタッフが手で書いていた患者600人分の紙のカルテを電子化してクラウド上で管理し、遠隔からでも患者の状況が確認できるようにした。

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