2015/07/10
C+Bousai vol3
防災活動でマンションの価値向上
2014年12月に実施した「ソフィアステイシア自主防災会総合防災訓練」では、全世帯の約46%にあたる326人が参加し、南海トラフ地震を想定した大規模訓練が開催された。「南海トラフ沿いの東海・東南海・南海地震が5分〜10分の間隔で3連動し、直後に大津波警報が発表された」という具体的なシミュレーションのもと、次々に襲いかかる複合災害から被害をいかに最小化するかが訓練の目的だった。約4カ月を費やして訓練実施要項を作成し、事前に予行演習も行ったという。
訓練を支援した消防署の署長からも「非常に難易度の高い訓練」と評されたソフィアステイシアの総合防災訓練。そのほかにも同マンションでは自主防災会が呼びかけ、従来から各家庭で災害時の食料・飲料水・簡易トイレ・生活用品など、居住者が使う物資の備蓄について、各家庭の自己責任で最低7日分の備蓄を、保管場所にゆとりがあれば、食料と水は2週間分備蓄するように指導しているという。
ソフィアステイシア自主防災会
総合防災訓練災害シミュレーション(2013年度)
1. 東京湾北部を震源とする首都直下型地震が緊急地震速報も間に合わずに発生。埋立地に建つマンションは震度6強の烈震に見舞われた。
2. 最初の地震動で、家具の固定が不十分な3住戸で家具の下敷きになり、負傷者が発生した。
3. マンション高層階4カ所から出火。
4. 災害対策本部を設置し、防災用無線機で各班から被害状況を聞き取り、火点住戸へ消火班を派遣するとともに、救助・救護班を負傷者宅へ派遣し、折り畳み式担架に乗せて応急救護所へ搬送。
5. 班別の避難誘導リーダーは、班内の全住戸にサイレンとハンドマイクで「火災発生」を通知し、地上への一斉避難を指示するとともに、サブリーダーに命じて全戸の安否確認と災害時要援護者の避難支援を指示。
6. 訓練参加者は【避難完了】マグネットシールを玄関扉に掲出し、非常階段を使って地上に避難。
7. 各班の班長は、班別指定避難所に集合した避難者の点呼を行い、逃げ遅れがないか確認の上で災害対策本部に無線機で通報。
8. 13階のバルコニーに取り残された避難者をハシゴ車で救出。
9. 11階のバルコニーに脱出した避難者3人が避難ハッチを降ろして8階まで垂直避難。8階の住戸内を通過して非常階段で地上に避難。
10. 住戸境の隔壁をフライパンなどで破壊し、横方向に避難。
そのほか、災害用トイレ組み立て訓練、プロパン発電機による夜間照明訓練、災害用テントの組み立て訓練、AEDによる救命救急訓練など。
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