お話を聞いた株式会社 明治 栄養営業本部 栄養マーケティング部マーケティング1グループの江原秀晃さん(左)と、インタビュアーのHITOTOWA INC. 葛西優香さん

災害時における粉ミルクの備蓄問題は、自治体にとって重要な課題の1つです。東日本大震災や熊本地震の時も、「赤ちゃんの粉ミルクが足りない」というニュースが何度も飛び交いました。しかし自治体でも個人でも、実際に「何を、どのくらい備えたらよいか」が分からない人も多いのではないでしょうか。災害時の粉ミルクの備蓄について、株式会社 明治 栄養営業本部 栄養マーケティング部マーケティング1グループの江原秀晃さんに、現在はマンションを中心に「共に助け合えるコミュニティづくり」をてがけるHITOTOWA INC.の葛西優香さんが話を聞きました。

「東日本大震災では、事前に粉ミルクを備蓄されている自治体が少なく、発災後に当社にも多くの問い合わせが来ました。当時の在庫の多くを救援物資として被災地に送ったため、在庫が足りなくなる状態に陥りました。その後、当社では在庫量の改善を行い、当時の在庫量から倍増して備えています。ただ、それでも首都直下地震や南海トラフ巨大地震では粉ミルクが足りなくなる可能性があります。少しでも多くの自治体やご家庭に、粉ミルク備蓄の重要性を理解してほしいと思います」と訴えるのは、株式会社 明治 栄養営業本部の江原秀晃さん。

「ただ粉ミルクの場合、大きさがまちまちな缶タイプが主流なため、何をどのくらい準備しなければいけないか分かりづらい状態になっているかもしれません。さらに、災害時には配偶者だけでなく、慣れていない方に調乳を頼まなければいけない場面が発生する可能性もあります。その時に、簡単に粉ミルクからミルクを作ることができることがとても大切なのです」と、粉ミルク備蓄の難しさについて話します。

「少しでも多くの自治体やご家庭に、粉ミルク備蓄の重要性を理解してほしいと思います」と訴える株式会社 明治 栄養営業本部の江原秀晃さん

「何を備蓄していいか分からない…」マンションのママさんたちの声

私、葛西優香は1995年1月17日、寝ている時に「ゴー」という大きな音で目が覚めました。次の瞬間、食器などが割れる音に変わり、身体の自由が効かなくなるような大きな揺れを体感しました。2011年3月11日には、東京都内のビルの31階で仕事をしている時に押し寄せた大きな揺れ。2回の揺れと同時に周りの方々の支えのありがたさを感じた経験を踏まえ、今はHITOTOWA INC.に勤め、主にマンション住民の方々と備蓄品から、マンション内での組織づくりなどを一緒に話し合い、共に助け合える環境づくりを行っています。

仕事上、マンション住民の方々とお話をする機会が多く、中には乳幼児を抱えたママや妊婦さんもいらっしゃいます。ママたちがおっしゃるのは、「災害が起こることへの不安はあるけど…何から始めればいいかわからない」ということ。そんな思いを抱えながら、日々の生活で1日はあっという間に終わり、災害への備えは後回しになりがちです。

地域の防災倉庫を見ても、アルファ化米やビスケットは備蓄されているものの、残念なことに粉ミルクなど赤ちゃんに必要なものが見当たらないことも多いのです。この課題は、乳幼児を抱える世帯だけでなく、町全体で助け合って乗り越えていかなければいけない事項ではないかと考えています。

備蓄に最適な『明治ほほえみ らくらくキューブ』をプラス1ストック!

一袋で、ちょうど乳幼児が1回に必要な約200mlのミルクを作ることができます

「もともと『明治ほほえみ らくらくキューブ』は、普段からミルクを作り慣れていない家族の方などが、誰でも簡単に調乳できるように開発したものです。当社独自の製法で固めたキューブ状の粉ミルクが1袋に5個入っており、1袋でちょうど乳幼児が1回の授乳に必要な約200mlのミルクを作ることができます。ミルクを作るときにいちいち計量する必要がなく、粉末をこぼしてしまうようなこともありません」(江原さん)。

ではなぜ、『明治ほほえみ らくらくキューブ』が備蓄に適しているのでしょうか?

「『明治ほほえみ らくらくキューブ(大箱)』は、1箱に200ml分が16回分入っています。一番多く量を飲む3カ月~1歳頃までの乳幼児は、1回あたり200ml、1日5回が飲用の目安となっており、1箱で備蓄に必要な3日分が賄える計算になります。

「どのくらいの量を備蓄すればいいか分からない」と悩んでいる人は、まず普段から『明治ほほえみ らくらくキューブ(大箱)』を1箱だけプラスしてストックしておけば安心なのではないでしょうか。また、通常の缶タイプは一度開封してしまうと賞味期限が約1カ月なのですが、『明治ほほえみ らくらくキューブ』は個包装のため、1つ袋を開けてもそのほかの袋は賞味期限が1年6カ月のまま。自治体の備蓄にも向いています」と、江原さんはその理由を解説します。

自治体の場合も個人と同様、避難所に想定される乳幼児の数に見合うように、『明治ほほえみ らくらくキューブ(大箱)』を備えることができれば3日間は安心です。ただし、1つ忘れてはいけないことがあります。それは、完全母乳で赤ちゃんを育てているママさんたちのことです。

現在、災害時にはストレスで一時的に母乳が出なくなる場合があることが分かっています。でもそれは一過性のもので、避難所に発災後すぐに授乳室を設けるなどして、少しでもママさんが落ち着いてリラックスできる場所を作れば、母乳は出るようになる可能性が高いと言われています。母乳で育てている方が、避難所でもちゃんと赤ちゃんに授乳できるようにみんなで支援すれば、備蓄した粉ミルクは本当に必要な方に分けることができます。災害時だからこそ、1人ひとりのママさんに寄り添った避難所運営を心掛けていきたいですね。

江原さんは「ただ単に「粉ミルクを3日分備蓄しなさい」と言われても、どのくらいの量を備蓄していいか分かりにくいと思います。そんな時に、「『明治ほほえみ らくらくキューブ(大箱)』1箱が赤ちゃん1人の約3日分」と覚えておけば、備蓄する人も増えるのではないでしょうか」と話しています。

そしてもう1つ、災害時の粉ミルク備蓄で頭を悩ませるのが、ミルクアレルギーのある赤ちゃん用の粉ミルクです。次回はアレルギーを持つ赤ちゃんにも嬉しい粉ミルクについて、引き続き江原さんにお話を伺いたいと思います。

(了)
 

質問 現在、あなたの組織では災害対策として粉ミルクを備蓄していますか?