BCP構築ステップにおけるBCP4.0に向けたポイント

BCP4.0に向けてどのようにBCPを改定していくのか。そのプロセスを、Step1から6までのStepで示しました。各Stepにおいて、BCP4.0に向けたポイントも示しています。

画像を拡大 出典:KPMG

 

Step1 BCP体制構築
Step1では、リスク管理部門に経営企画系やESG、CSR部門などを積極的に関与させていくことが重要です。

Step2 BCP策定方針検討
自社だけではなく、サードパーティも含めてBCP策定方針を検討する必要があります。

Step3 ビジネスインパクト分析
災害時に目標とする復旧時間を自社の売上・影響を想定するだけではなく、ESGの観点やステークホルダーの目線なども重要視していく必要があります。

Step4 リスクアセスメント
サプライヤーによる人権侵害・環境破壊などESGに関わるリスクを起因とした事業停止リスクも想定した上で、事業継続、事業停止のリスクを想定していきましょう。

Step5 BCP文書策定・改正
ESGの関連文書やマテリアリティなどとの整合性も意識し、積極的に開示していくことも有効です。 

Step6 教育訓練・BCM運用
サプライヤーで人権侵害が起きたときにどう対応するかなど、自社のシナリオだけではなくサードパーティーも含めたシナリオを追加する必要があります。

有事発生の際には、人材や資材、インフラなどのリソースが不足することが予想されます。そこであらかじめ集中的にリソースを投下する事業やサービスを定めておくことが有効ですが、その際に社会的責任や事業継続の観点だけでなく、ESGやSDGsの観点を追加するという取り組みが求められます。

平時からこうしたBCP4.0を意識した取り組みを行い、組織のレジリエンス向上に資する活動に昇華していただければと思います。
 

KPMGコンサルティング株式会社
アソシエイトパートナー
土谷 豪 氏

KPMGコンサルティングのサステナビリティ・トランスフォーメーションユニットでアソシエイトパートナーを務める。早稲田大学卒業後、金融系事業会社に入社。業務プロセス改革やリスク管理、システム企画部門を経て、2013年にKPMGビジネスアドバイザリー(現KPMGコンサルティング)に入社。主に製造業・IT業・流通業など幅広い業種向けに対するレジリエンス・ESGリスク管理・サスティナブルサプライチェーン関連の多数のプロジェクトに従事。