リスク対策.com vol.40

 


 

■巻頭インタビュー 河本志朗氏
 テロ犠牲者を最小限に抑えたボストン市の危機対応

2013年4月、伝統のボストン・マラソンを襲った連続爆弾テロ事件。白昼のイベント会場という人出の多い場所を狙ったテロにもかかわらず、犠牲者は現場で死亡した3人にとどまり、病院に搬送された重症者を含む全員が救命された。その背景に何があったのか、事件に関する資料を分析した公益財団法人公共政策調査会第二研究室長、河本志朗氏に聞いた。

 

■特集1 変わる! 東京電力の危機管理体制
史上例を見ない甚大な被害を引き起こした福島第一原子力発電所事故。東京電力ではその過ちを二度と繰り返さないよう、抜本的な危機管理体制の見直しを進めている。

メディアとして原発推進の肩を持つつもりはない。原発が今の状態で十分安全と考えているわけでもない。しかし、原発事故再発防止に向けた同社の改善の取り組みの中には、多くの組織に共通して求められる危機管理の本質的な要素が凝縮されている。

原子力施設を運営する事業者と一般企業などの組織とでは、リスクの大きさがあまりに違いすぎるとの指摘もあろう。しかし、緊急時における組織体制や組織間の連携、情報の共有、意思決定のプロセスなどは、どのような組織でも基本的なフレームは変わらない。同社の取り組みから学び取れるものは多いはずだ。

◆改革6本の柱
 「安全神話」負の連鎖を断ち切る

◆米国を参考に構築した緊急時の組織
 1人の人間は5人しか管理できない

◆市民目線を重視
 レピュテーションを支える戦略部隊

◆原発はどこまで安全になったか
 新規制基準の高いハードル

◆東京電力の危機管理を変えたインシデント・コマンド・システム
 インタビュー 在日米陸軍統合消防本部次長 熊丸由布治氏

◆事前の備えなくしてICSは機能しない
 インタビュー 九州大学大学院医学研究院先端医療医学部門災害・救急医学助教 永田高志氏

◆東京電力の教訓を生かした危機管理・BCPへの期待
 具体的にどのような点で企業は東京電力の教訓を生かせるか?

 

■特集2 レジリエントな住まいと街づくり
不動産会社、住宅メーカー、マンション管理会社による住まいと街づくりの取り組みについて特集。地域活性化がさかんに語られる近年、それを実現する魅力的であり持続可能性を備えた街づくりとはどのように果たされるのか。レジリエントな社会の実現に向け、住まいを中心に加速する動向を取材した。

◆田園都市沿線を魅力ある街に再生させる
 東京急行電鉄

◆自助と共助を重視 管理会社はサポート役に
 長谷工コミュニティ

◆レジリエンス住宅を発表
 LIXIL住宅研究所

◆災害対応力の高い住宅をスマートハウスで推進
 積水ハウス

 

●FOCUS 福島を救ったクラウド型医療情報システム
 アメリカで広く普及する医療情報管理の仕組みと日本での課題を専門家が語る

●テロの雑学 「ホソクビゴミムシ、バイナリ―、そしてシリア」
 寄稿 濵田正彦氏

シリーズ訓練革命 最終回 訓練の“作り方”

・危機管理リーダーを育成する「図上訓練」
 インタビュー 一般社団法人日本経営士会 経営士/元海上自衛隊海将補 林祐氏
 
・これなら分かる!BCP訓練の実施プロセス 
 寄稿 NECシステムテクノロジー 森徳行氏

●講演録 プロフェッショナルが事例に基づき語る集中セミナー
 
●視察記 3.11を乗り越えた企業は今

●台風26号対応アンケート

●TIEMS日本支部会報
 危機対応における組織間連携のあり方

●シリーズ
 サマンサのBCP英語講座
 災害から命を守れ 熊丸由布治
 海外進出リスク 原 敬徳
 みならい君のBCMS構築物語 打川和男
 BCMの実力を測ろう 昆 正和
 業種別BCPのあり方 小山和博
 サプライチェーンを含めたBCP  上原 修
 コンプライアンス達成に必要な従業員の法知識 北 周士
 BCP担当者が最低限知っておきたい労務リスクマネジメント 岡本裕明  ほか