リスク対策.com Vol.56
 

■特集1
熊本地震 企業の対応
BCPの見直すべきポイントがわかる!

富士フイルム九州/イオン/再春館製薬所/熊本構造計画研究所/アネシス/新産住拓/トヨタ自動車

熊本地震における企業の対応から学ばされることは多い。過去の災害教訓を生かし、備蓄や訓練に力を入れてきた会社は、対応力の高さを見せつけた。地元の中小企業でも台風への備えを強化してきたことから、今回の地震でも迅速に対応できた会社はある。何が、なぜうまく対応できたのか、課題はなかったのか。これらを本社、現地の双方から取材・検証することで、BCPの見直すべき点を洗い出してみた。
一方で、今回の地震では、社員や地域支援のあり方についても改めて考えさせられた。企業の責務とは何か――。


・「常に備えてきた」成果 富士フイルム九州

・訓練で磨き上げた対応力 イオン

・社員を守る、地域を守る 再春館製薬所

・社屋を避難所として開放 熊本構造計画研究所

・現場対応力が機能 工務店① アネシス

・常に先手の対応 工務店② 新産住拓

・仕入先を直後から支援 トヨタ自動車

・熊本地震の対応から学ぶ15のポイント 
リスク対策.com編集長 中澤幸介

■巻頭インタビュー
一般社団法人 海上災害防止センター防災部長 萩原貴浩氏
プロこそ素人(知ろうと)であれ


■特集2  風評被害は克服できる!
メカニズムと発生パターンから対策を探る

風評被害とは、「ある事件・事故・環境汚染・災害が大々的に報道されることによって、本来『安全』とされる食品・商品・土地を人々が危険視し、消費や観光をやめることによって引き起こされる経済的被害」と定義される。ITの進展により、風評被害は、ややもすると組織の事業継続に影響を与えかねない大きな問題に発展する。しかし早期にマネジメントすることができれば、風評は追い風にも変えることができる。2014 年11月に地震被害を受けた長野県白馬村は、その被害が局所的だったことから、地震で危険という風評が出て、スキー客が減少することを懸念し、早期に対策を講じた結果、近隣自治体に比べ大幅に被害を縮小させることに成功し、村のファンは増えている。企業でも、風評被害によって大きなダメージを受ける企業とそうでない企業が明確に分かれる。本特集では、本誌が6月3日に開催した風評被害対策セミナーの講演禄をもとに、風評被害がもたらす企業経営への影響、危険性をさまざまな角度から検証す
るとともに、風評被害を起こさないための抑止策、仮に風評被害が起きてしまった場合の対処策を紹介する。また、組織の風評被害対策に関する取り組み状況のアンケート結果も紹介する。

・風評被害のメカニズムと対策
 (東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センタ特任准教授 関谷直也氏)

・風評マネジメントで観光を立て直す
 (一般社団法人白馬村観光局 企画グループ総務経理 新路祐也氏)

・不祥事対応における風評発生メカニズム
 (株式会社エス・ピー・ネットワーク総合研究室主任研究員 石原則幸氏)

・企業の魅力度が風評に影響する
 (株式会社電通パブリックリレーションズ 
    企業広報戦略研究所副所長 阪井完二氏、上席研究員 北見幸一氏)

・組織の風評被害対策アンケート

■Topics
01 被災地の燃料を絶やすな!
02 日本で一番小さな市(蕨市)に防災大学校

■Focus
 被災自治体の支援のあり方 阪神・淡路大震災の西宮方式を生かせ!

■New Products
01 浸水・洪水時のポンプユニット
02 ソーラー充電式の非常用電源装置
03 短時間で設置できる簡易止水装置
04 耐震用開閉補助装置
05 簡単セッティングの防水板

■シリーズ

・直言居士

・従業員の命を守る「職場の医学」◉ 鶴和幹浩

・レジリエンスに関する世界の調査研究◉ 田代邦幸

・業種別BCPのあり方◉ 小山和博

■NEWS
・常総市水害対策検証委員会が報告書発行


発行日:2016年7月25日