リスク対策.com Vol.46

 

 

■特集1 
  防災を成長に
  高知が日本を変える!

南海トラフ地震により甚大な被害が予想されている高知県。もともと財政事情が厳しい上に、東日本大震災後には、想像を絶するようなけた外れの津波被害想定が突き付けられ、県外からの移住や企業誘致などによる成長戦略は厳しさを増した。苦肉の策として打ち出したのは、防災力を高めるとともに、防災力を「ウリ」にして、地域経済を活性化させるという、国土強靭化と地方創生戦略を一体化させたような独自の施策だ。被災リスクを逆手に取り、防災に役立つさまざまな製品・技術の開発から販売までを県が支援し、産業活性化に結び付ける。さらに県内企業は、無料でBCP(事業継続計画)の策定支援を受けることができ、それが企業のブランド力を高める。

東日本大震災で被災した東北地方沿岸部の多くの市町村は、これまでも過疎化などにより少子高齢化が進んでいた地域だ。被災により多くの尊い命が奪われただけでなく、その後も見通しのつかない復興や自らの生活に不安を募らせ、町を去る人が後を絶たない。そんな地域を存続させるには、再び街を襲うかもしれない津波災害などへの防災力の強化と、地域活性化の一体的な戦略が不可欠である。

東日本大震災による被災の有無を除けば、全国の多くの地方都市が同じ問題に直面していると言ってもいい。高知に学べることは何か!?

◆これが高知の防災力だ! 市町村財政負担実質ゼロで避難路など整備
◆県内企業のBCP策定を急げ! 東京海上日動がBCP策定を無料支援
◆防災関連産業で経済活性化 1年間で販売額17倍に拡大
防災関連産業 堤防液状化補強対策 インプラント堤防 産官学の取り組み
防災関連産業 プラスチックで避難階段 シェルターステップほか 株式会社西宮産業
防災関連産業 机1つの容積で毛布600枚 株式会社フロムハート
◆高知から世界を支え、地元を守る ニッポン高度紙工業株式会社
◆津波34mの町が作る防災缶詰 黒潮町缶詰製作所
◆国土強靭化と地方創生の両立  危機管理産業展でトップ対談

 

■巻頭インタビュー 高知県知事 尾﨑正直氏
  
防災力強化と地域活性化を一体的に進める 
  禍福は糾える縄の如し

■講演録 東京湾北部から都心南部へ 首都直下地震「新」想定

■危機管理カンファレンス2014     

■TIEMS日本支部会報 BCP連携が機能する条件

■FOCUS 被災後2週間でり災証明書発行
        福知山市の被災者生活再建システム

■特別寄稿 災害救助活動を「見える化」 
        地方公共団体金融機構 合田克彰
■シリーズ 
 サマンサのBCP英語講座
 奥はる菜のロンドン大学危機管理講座
 おかしくないか?日本の防災対策 齋藤實
 簡単に理解できるERM講座 勝俣良介
 災害から命を守れ 熊丸由布治
 レジリエンスに関する世界の調査研究 田代邦幸
 レジリエンスを巡る旅 昆正和
 業種別BCPのあり方 小山和博
 インターネット新時代の労務リスクマネジメント 毎熊典子

■特別寄稿 広島土砂災害:被災地へのサプライチェーン考察 上原修