マイナンバーと障害者手帳情報が誤ってひも付けされていたケースが、静岡県で62件確認されたことが20日、分かった。障害者手帳での誤登録が判明したのは初めて。厚生労働省は同日、全国の自治体に障害者手帳とのひも付けが適切かどうか点検し、9月末までに結果を報告するよう通知を出した。
 厚労省によると、同姓同名で生年月日が同じ人の情報確認を怠ったことなどが原因だという。個人情報の漏えいは確認されていない。加藤勝信厚労相は閣議後記者会見で「ひも付けに当たり、注意点が必ずしも徹底されていなかったことを反省しなければいけない」と述べた。
 静岡県では4月下旬に手帳の所有者から「自身の情報をマイナポータルで確認できない」との指摘があり、事案が判明。県は5月以降、マイナンバーと手帳情報の連携を停止し、調査していた。
 障害者手帳の情報は、マイナンバーとひも付けることで、カードなどの提示のみで割引制度や行政手続きを利用できるようになり、手帳本体を持ち歩く必要がなくなる。一方で、特別障害者手当や障害福祉サービスの給付はマイナンバーと連携していないため、影響はない。
 手帳の申請書にはマイナンバーを記載する欄がある。制度が始まる前から手帳を所有している人などもいることから、自治体側がひも付け作業を行っている。 
〔写真説明〕厚生労働省=東京都千代田区

(ニュース提供元:時事通信社)