2024/04/30
防災・危機管理ニュース
BCPの策定率は大企業76.4%、中堅企業45.5%
内閣府は、令和5年度における「企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」についての結果を発表した。2007年度から隔年で実施しているもので前回の令和3年度時点での調査以来となる。それによると、大企業のBCPの策定状況は、策定済みが前回から5.4%伸び76.4%に。策定中は9.2%で、策定済と策定中を合わせた割合は前回とほぼ同じ85.6%となった。中堅企業は、策定済みが45.5%(前回40.2%)、策定中が12.1%で、策定と策定中を足した割合は57.6%となった。
業種別では金融・保険業のBCP策定率が76.6%と最も高くなっている。以下、運輸業・郵便業(66.2%)、建設業(63.4%)と続いた。前回調査と比較すると、運輸業・郵便業のBCP策定率は、前回比17.2ポイント増、建設業は前回比10.6ポイント増、サービス業も14.4ポイント増と上昇を強めた。コロナ禍や各地での地震を受けて、これらの業種の継続が復旧に大きな影響を与えるという意識が強まり、BCP策定を進めていることがうかがえる。
重視しているリスクに関する質問では、全体では「地震」(91.4%)、「感染症(新型インフルエンザ、新型コロナ等)」(66.9%)、「火災・爆発」(53.6%)が上位を占めた。なお、「「感染症(新型インフルエンザ、新型コロナ等)」は、前回調査の81.2%から14.3ポイント減少した。内閣府では、コロナ収束とあわせて低下していると考えられるとしている。
リスクへの対応を実施している企業に対し、リスクへの対応を実施していく上での課題について聞いたところ、全体及び全ての企業規模において「自社従業員への取組の浸透」の割合が高くなっている。これは前回までの調査も同様の傾向となっている。
今回の調査で新たに質問に加えた、事業所の建物の耐震基準については、全体では「新耐震基準」1)が66.6%と最も高く、次いで「新旧耐震基準両方」が21.4%、「旧耐震基準」2)が11.5%となっている。各耐震基準の充足状況に関しては、全ての耐震基準で「充足」(基準を満たしていること)が優位だが、旧耐震基準では「不足」が43.1%と、他の耐震基準と比較して割合が高くなっている。
1)旧耐震基準:1950 年から施行され 1981 年 5 月 31 日まで適用された耐震基準
2)新耐震基準:1981 年に改正された建築基準法の耐震基準
また、事業所の設備機器・オフィス機器の転倒防止の実施状況については、全体では「行っている」(56.3%)、「行っていない」(22.8%)、「設備機器のみ行っている」(14.0%)の順となっている。規模別では、全ての規模において「行っている」が高くなっている。特に大企業では「行っている」が72.9%となり、中堅企業(52.5%)とは20ポイント以上、その他企業(53.6%)とも19ポイント以上の差となっている。
(お知らせ:5月7日「リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説」にて詳細を解説します。https://www.risktaisaku.com/articles/-/51198)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/08/05
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/08/04
-
-
-
-
令和8年熊本地震 猛暑の被災地で熱中症を避ける
最大震度7を記録した令和8年熊本地震。熊本県内では400超の避難所が開設され、約9千人が避難している(29日時点)。真夏の避難生活は、熱中症の危険性を確実に高める。しかもこれからは、猛暑・酷暑下での復旧活動が本格化し、多くの人々が被災地で活動する。現地で熱中症をどう防いだらいいか。熱中症と災害医療に詳しい、さいたま赤十字病院高度救命救急センターの席 望医師に対策を聞いた。
2026/07/30
-
令和8年熊本地震 広がるデマ、どう見分ける?SNSとの向き合い方
28日に発生した最大震度7を記録した熊本地震では、早くも豪華寝台列車「ななつ星」が脱線したなどのデマ情報が広く拡散された。災害のたびに、広くSNSで拡散される情報にどう向き合えばいいか。デジタル空間の情報分析を専門とする Japan Nexus Intelligence の竜口七彩氏に聞いた。
2026/07/29
-
-
事例研究で有事に備え、組織の体質改善で形骸化を防ぐ
組織レジリエンスの強化やサイバーセキュリティーの向上、サプライチェーンの強靭化など、危機管理やリスク管理担当者が関与する領域は年々拡大している。変化する社会状況にあわせ、担当者はどのように学び、備え、対応することが求められるのか。森総合研究所代表の森健さんは、自治体と企業で危機管理担当者としての経験を積み、現在はコンサルタントとして、企業や団体の危機管理の支援を手がけている。自身の経験を踏まえ、危機管理の担当者にどうアドバイスしているのか、話を聞いた。
2026/07/27
-






※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方