2024/05/01
防災・危機管理ニュース
【シリコンバレー時事】人間の指示に基づき文章や画像を自動で作る生成AI(人工知能)が、動画作成にも広がっている。映画やプレゼンテーション資料など、さまざまな用途が視野に入る。瞬時に動画を作れ、業務効率化が期待できる一方、雇用に影響を与える恐れがあり、向き合い方も課題となる。
「暖かいネオンが光る東京の通りを、スタイリッシュな女性が歩いている」―。「チャットGPT」を開発した米オープンAIは2月、動画生成AIの基盤モデル「Sora(ソラ)」の発表で、こうした指示に基づいて作られた動画を公開した。
身なりや歩いている様子など細かな指示も反映。日本語ではない看板が混じるなど粗さも目立ったが、光の反射や影の付き方など、実写に近い映像を実現した。
AIの技術は、2023年の米アカデミー賞で7冠を達成した「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」でも使われた。目が付いた二つの石が動くシーンがそれで、米ランウェイ社の技術で作られた。その後、多くの企業が同様の取り組みを発表している。
グーグルも6月から、業務用サービスで動画生成アプリを試験提供する。社内のプレゼンへの活用を想定しており、キャプション案も提示してくれるという。
開発が加速する一方で、誤情報拡散のリスクも懸念されている。商用化されたサービスもあるが、オープンAIのように安全性の検証に時間を割く企業も出てきた。
映画産業の聖地ハリウッドでは、脚本家や俳優らが昨年ストライキを起こし、製作会社側に脚本や身体データを無断でAIに学習させないよう要求した。雇用喪失への不安も高まっている。
〔写真説明〕米オープンAIが開発した動画生成AIの基盤モデル「Sora(ソラ)」が作ったデモ映像(同社提供動画より・時事)
(ニュース提供元:時事通信社)
![](/mwimgs/6/b/-/img_6b7d1a795b929c05896740bfbce3ba6553572.jpg)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
3線モデルで浸透するリスクマネジメントコンプライアンス・ハンドブックで従業員意識も高まる【徹底解説】パーソルグループのERM
「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンとして掲げ、総合人材サービス事業を展開するパーソルグループでは、2020年のグループ経営体制の刷新を契機にリスクマネジメント活動を強化している。ISO31000やCOSO-ERMを参考にしながら、独自にリスクマネジメントの体制を整備。現場の業務執行部門(第1線)、ITや人事など管理部門(第2線)、内部監査部門(第3線)でリスクマネジメントを推進する3線モデルを確立した。実際にリスクマネジメント活動で使っているテンプレートとともに、同社の活動を紹介する。
2024/07/23
-
インシデントの第一報を迅速共有システム化で迷い払拭
変圧器やリアクタなどの電子部品や電子化学材料を製造・販売するタムラ製作所は、インシデントの報告システム「アラームエスカレーション」を整備し、素早い情報の伝達、収集、共有に努めている。2006年、当時社長だった田村直樹氏がリードして動き出した取り組み。CSRの一環でスタートした。
2024/07/23
-
「お困りごと」の傾聴からはじまるサプライヤーBCM支援
ブレーキシステムの開発、製造を手掛けるアドヴィックスは、サプライヤーを訪ね、丁寧に話しを聞くことからはじまる「BCM寄り添い活動」を2022年度から展開している。支援するのは小規模で経営体力が限られるサプライヤー。「本当に意味のある取り組みは何か」を考えながら進めている。
2024/07/22
-
-
危機管理担当者が知っておくべきハラスメントの動向業務上の指導とパワハラの違いを知る
5月17日に厚生労働省から発表された「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」によると、従業員がパワハラやセクハラを受けていると認識した後の勤務先の対応として、パワハラでは約53%、セクハラでは約43%が「特に何もしなかった」と回答。相談された企業の対応に疑問を投げかける結果となった。企業の危機管理担当者も知っておくべきハラスメントのポイントについて、旬報法律事務所の新村響子弁護士に聞いた。
2024/07/18
-
基本解説 Q&A 線状降水帯とは何か?集中豪雨の3分の2を占める日本特有の現象
6月21日、気象庁が今年初の線状降水帯の発生を発表した。短時間で大量の激しい雨を降らせる線状降水帯は、土砂災害発生を経て、被害を甚大化させる。気象庁では今シーズンから、半日前の発生予測のエリアを細分化し、対応を促す。線状降水帯研究の第一人者である気象庁気象研究所の加藤輝之氏に、研究の最前線を聞いた。
2024/07/17
-
-
災害リスクへの対策が後回しになっている円滑なコミュニケーション対策を
目を向けるべきOTリスクは情報セキュリティーのほかにもさまざま。故障や不具合といった往年のリスクへの対策も万全ではない。特に、災害時の素早い復旧に向けた備えなどは後回しになっているという。ガートナージャパン・リサーチ&アドバイザリ部門の山本琢磨氏に、OTの課題を聞いた。
2024/07/16
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方