著者別連載一覧
![後藤 茂之](/mwimgs/6/f/100m/img_6f816dd140c2294aa68992f3815a38dc74463.jpg)
後藤 茂之
大阪大学経済学部卒業後、コロンビア大学ビジネススクール日本経済経営研究所・客員研究員(1996~1997)を経て、中央大学大学院総合政策研究科博士課程修了、博士(総合政策)。中央大学経済研究所客員研究員、日本リスクマネジメント学会・評議員、ソーシャルリスクマネジメント学会・理事。38年間大手損害保険会社及び保険持株会社にて、企画部門、リスク管理部門、国際業務部門等に従事。経済価値ベースの企業価値管理、ERMの構築・強化などの業務に携わった後、現在まで9年間大手監査法人にてリスクアドバイザリーサービスに携わる。また、この間大学、大学院の客員教授、非常勤講師、セミナー、講演などを行う。主な著書に、『ESGリスク管理』中央経済社(2023年)、『気候変動時代の「経営管理」と「開示」』中央経済社(2022年共同編著)、 『リスク社会の企業倫理』中央経済社(2021年) などがある。
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リスクの異なる特徴を理解する
企業活動は様々な要因によって影響を受ける。その結果、企業が保有している資産、負債の価値は常に変動している。想定外の変動によって純資産が縮小したりリスクが急拡大すると、企業の倒産リスクは高まることとなる。従って企業は、これらの重要な変動要因をリスクとして捉え、同類のリスクをカテゴリー別に分類して管理しようとする。ただ、個々のリスクは異なる特徴を持っている点を十分理解した上で、適切に管理していかなければならない。
2024/07/09
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COSO-ERMを理解する
検討において参考となるのが米国トレッドウウェイ委員会組織委員会 (The Committee of Sponsoring Organizations of the Treadway Commission: COSO)のERMの枠組みである。この枠組みは、企業が、ガバナンス 、ビジネスモデル、リスク選好、戦略、カルチャーなどを総合しながらリスク管理機能をいかに組織内で機能させていくかを検討する際の知見を提供してくれる。
2024/07/06
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リスクの3要素
企業にとって、リスク管理(ERM)の一義的な目的は、企業価値の変動を適切に管理し、倒産を防ぎ、継続的活動を担保することにある。企業の経済価値ベースの貸借対照表(Balance Sheet)の状況は常に変化している。例えば、資産サイドでは、工場や建物が自然災害によって被害にあったり、保有金融資産の市場価格が下落する。また、負債サイドでは、調達する原材料などの価格が高騰するなどの可能性が常に存在する。
2024/05/19