著者別連載一覧
後藤 茂之
大阪大学経済学部卒業後、コロンビア大学ビジネススクール日本経済経営研究所・客員研究員(1996~1997)を経て、中央大学大学院総合政策研究科博士課程修了、博士(総合政策)。中央大学経済研究所客員研究員、日本リスクマネジメント学会・評議員、ソーシャルリスクマネジメント学会・理事。38年間大手損害保険会社及び保険持株会社にて、企画部門、リスク管理部門、国際業務部門等に従事。経済価値ベースの企業価値管理、ERMの構築・強化などの業務に携わった後、現在まで10年間大手監査法人にてリスクアドバイザリーサービスに携わり、現在にいたる。また、この間大学、大学院の客員教授、非常勤講師、セミナー、講演などを行う。主な著書に、『自然・生物多様性リスクマネジメント』中央経済社(2024年)、『ESGリスク管理』中央経済社(2023年)、『気候変動時代の「経営管理」と「開示」』中央経済社(2022年共同編著)、 『リスク社会の企業倫理』中央経済社(2021年) などがある。
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ERMにおける実行性の強化
企業は、リスクに対する組織の適切な行動を管理するためにオペレーショナルリスクとコンダクトリスクといったリスクカテゴリーを設定し管理を実施していることが多い。オペレーショナルリスク管理は、過去の操業上の失敗事例を分析して同種の事例の再発を予防するための管理である。換言すれば、過去・現在の状況を踏まえ、それを将来に延長して対応するフォワードルッキングなアプローチの一種といえる。他方、コンダクトリスク管理は、将来の環境が必ずしも過去と同様ではないことも踏まえ、組織行動の特徴を理解した上で、組織行動を律する根底の部分(組織文化と表現することもある)を意識して、不測の事態を招かないための制御を行う活動といえる。
2024/09/25
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不確実性の類型とリスク管理
将来に対する意思決定においては不確実性が存在する。このような状況においてわれわれはいかにして合理的な意思決定をすべきなのか。この問題は「不確実性下の意思決定論」として長らく学問の対象となってきた。そして、これはまさにリスク管理の実践そのものに関わる課題と言える。
2024/09/11
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エマージングリスクと不確実性への対応
今後大きく変化する環境の下で、企業がさらにリスク管理を進化させていくためには、現時点でリスクの概要を十分捕捉できておらず管理対象として消化し切れていない「不確実性」に挑戦していく必要がある。
2024/08/06
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能動的なレジリエンス強化の必要性
企業は現在、気候変動の原因となっている温室効果ガスについて、事業活動からの排出削減に取り組んでいる。また、これまでのGHG排出の影響で変化した気候システムによる異常気象災害の拡大への対策を進めている。
2026/01/26
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不確実性の拡大に伴うレジリエンス強化
企業はこれまで経営の中心に据えてきた財務要素中心の短期利益至上主義から、非財務要素を考慮し中長期的に社会的価値と経済的価値の向上を両立させる方向へと舵を切り、サステナブル経営を推し進めようとしている。このような過程で、企業を取り巻く不確実性の高まりによる企業価値への変動幅の拡大に留意しなければならない。
2026/01/15
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環境変化に伴うビジネス機会の拡大と不確実性の拡大
ピーター・ドラッカーが、「経済的な活動は、現在の資源を不確かな未来に投入することであり、必然的に、企業は不確実性を管理する機能を必要とする 」と述べているように、企業活動には常に新たなビジネス機会の探索が必要である。しかし、それには不確実性が伴う。したがって企業は、いかにリターンの源泉としてリスクを取り、企業価値を持続的に高めてゆくかに腐心する存在である。
2025/12/24
