名古屋港の港湾運送事業者で構成する「名古屋港運協会」(名古屋市)は5日、コンテナの搬出入を管理しているシステムがコンピューターウイルスに感染し、障害が発生したと発表した。ロシアを拠点とするハッカー集団「ロックビット」を名乗る英文の脅迫文が港湾関係企業に届いたことが確認されており、愛知県警はサイバー攻撃の可能性もあるとみて捜査している。
 港運協会などによると、ウイルスは身代金要求型の不正プログラム「ランサムウエア」と判明。4日朝に港湾関係企業の社員が「身代金を支払えば復旧させる」との内容の脅迫文が複合機からプリントされているのを発見した。システム障害は同日午前6時30分ごろ発生し、コンテナの搬出入ができなくなった。港運協会はシステム復旧を急ぎ、6日からコンテナ搬出入を再開したい考え。
 名古屋港は自動車などを扱う国内有数の貿易拠点。昨年9月には、大量のデータを送り付けて障害を発生させる「DDoS攻撃」により、名古屋港管理組合のサイトで障害が発生。ロシアのハッカー集団「キルネット」が犯行声明を出した。
 トヨタ自動車の広報担当者は「完成車の物流は影響ない。現時点で生産への影響もないが、状況を注視していく」とコメントした。 
〔写真説明〕名古屋港(名古屋港管理組合提供)

(ニュース提供元:時事通信社)