埼玉県所沢市でマイナンバーの誤登録により、医療・介護関連の給付費約5万7000円が別人の公金受取口座に振り込まれた事案が発生したことを受け、厚生労働省は19日までに、ひも付け作業での注意喚起を求める通知を改めて地方自治体に出した。
 マイナンバー制度を巡るトラブルでは、マイナンバーカード普及に向けた「マイナポイント」を別人に付与した例はあるが、デジタル庁によると実際に現金が別人の公金受取口座に振り込まれた事例は所沢市が初めて。
 誤登録されたのは、後期高齢者医療制度に加入する80代女性。医療や介護の自己負担が重くなり過ぎないようにする「高額介護合算療養費」の支給を申請した際、市からの通知で見知らぬ金融機関の情報が記載されていたためミスが発覚。市は14日に発表した。
 この女性と、誤って振り込んだ先の相手は同姓同名で生年月日が同じだった上、女性は市外に転出した後だったため、市役所内に確認用のデータがなく、住所のチェックも不十分だったという。 
〔写真説明〕厚生労働省=東京都千代田区

(ニュース提供元:時事通信社)