【エルサレム、ワシントン時事】パレスチナ自治区ガザでのイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘で、ガザ当局は20日、戦闘開始後のガザでの死者が計2万人に達したと明らかにした。欧米諸国が民間人保護を強く求める中、イスラエル軍が攻勢を緩める気配はなく、死者の増加に歯止めはかかっていない。
 死者のうち、子供は約8000人、女性が約6200人に上る。ブリンケン米国務長官は20日の記者会見で「ハマス指導部の対処に重点を置いた、少数の部隊による的を絞った作戦に移る必要がある」と改めて訴えた。ただ、イスラエルのネタニヤフ首相は声明で、「ハマスの全てのテロリストは投降するか、死ぬかのどちらかだ」と強調しており、作戦規模をいつ縮小させるかは不透明だ。
 一方、バイデン米大統領は20日、記者団に対し、ガザでの死者数を「悲劇的だ」と指摘。戦闘休止や人質解放に関する交渉については「現時点で期待はしていないが、後押ししている」と説明した。国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は同日の記者会見で、交渉は「非常に真剣な議論だ」と述べるにとどめた。 
〔写真説明〕パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニスで、イスラエルの爆撃を受けて上る黒煙=19日(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)