石川県能登地方で起きた最大震度7の地震で、北陸電力は2日夜、志賀原発1、2号機(同県志賀町)の敷地内にある取水槽の水位が約3メートル変動していたと発表した。同社は同日午前の説明では「有意な変動はなかった」としていたが、訂正した。
 取水槽は敷地前面海域から海水を約500メートル引き込んだトンネルの先にあり、3メートルの変動は敷地前面の津波高さを直接示すものではないという。北陸電は今後、同原発に到達した津波の高さを調査するとしている。
 北陸電によると、志賀原発は1、2号機とも2011年から停止中。敷地高さは約11メートルで、能登地方では一時大津波警報が発令された。
 外部からの受電に使われる変圧器には、絶縁と冷却のために油が使われているが、地震の揺れで配管が壊れるなどして1号機で約3600リットル、2号機で約3500リットルの油が漏れ出した。いずれも漏出防止のせき内にとどまり、火災も起きていないという。1、2号機とも予備の変圧器に切り替え、受電を継続している。
 使用済み核燃料プールには1号機に672体、2号機に200体を保管。このほか、使用前の新燃料も保管されている。地震の揺れでプール内の水の一部が建屋内に飛散した影響で、1号機ではプール水の冷却が約40分間停止したが、この間、温度の上昇はなかった。 
〔写真説明〕北陸電力の志賀原発=2日午前、石川県志賀町(時事通信チャーター機より)
〔写真説明〕地震による揺れで油漏れを起こした北陸電力志賀原発1号機の変圧器=1日(北陸電力提供)

(ニュース提供元:時事通信社)