【カイロ時事】パレスチナ通信によると、パレスチナ自治政府のシュタイエ首相は26日、辞意を表明した。自治政府の閣僚を含め、辞表をアッバス議長に提出するという。パレスチナ自治区ガザで続くイスラエルとイスラム組織ハマスとの「戦後」を巡り、米国は自治政府を統治主体と考えているが、汚職問題などを抱えていることから変革を要求。シュタイエ氏の辞意表明は「戦後」を見据えた動きとみられる。
 シュタイエ氏は閣議冒頭、辞任について、イスラエル軍によるガザ攻撃やヨルダン川西岸などでの治安悪化に関連した「政治、安全保障、経済での事態進展」を踏まえた判断だと説明。「ガザの現実を考慮した新たな政府と政治的合意が必要だ」と述べた。
 ガザでの戦闘休止と人質解放を巡っては、カタールの首都ドーハで、仲介役の同国や米国、エジプトが、イスラエルと詰めの協議を行う見通しだ。ロイター通信は協議が今週行われると報道。エジプトのメディアは、ハマス代表団も協議に関与すると伝えた。カタールに続いてエジプトの首都カイロでも、交渉が行われるという。 
〔写真説明〕26日、ヨルダン川西岸ラマラで記者会見し、辞意を表明するパレスチナ自治政府のシュタイエ首相(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)