北陸電力は7日、運転停止中の志賀原発(石川県志賀町)構内を報道陣に公開した。能登半島地震の影響で外部電源を受けるための変圧器が1、2号機ともに破損し、送電線が損傷するなどした。この日は破損した変圧器2台や余震後に自動停止したディーゼル発電機などが公開された。
 1、2号機のタービン建屋近くにある変圧器は、いずれも破損した部品が撤去済みで、油漏れなどの痕跡もうかがえなかった。2号機の変圧器の周囲には、作業用の足場が組まれており、同社は今後、破損部品の取り換えなどを進める。
 構内の道路には、目立った亀裂や陥没は確認できなかった。1号機横の駐車場に数センチの段差が見られたが、同社の広報担当者は「機能上の問題はない」と説明した。
 同社の中田睦洋原子力部長は報道陣の取材に「停止中にあまり使わない設備に不具合はあったが、地震があっても絶対壊れてはいけない部分は担保できていた」と説明した。
 同原発では、能登半島地震により1号機地下で震度5強を観測。地震の揺れは同社の想定を一部上回った。変圧器の破損により、1号機では約3600リットル、2号機は約1万9800リットルの絶縁用油が漏れた。1、2号機ともに2011年から運転停止中で、使用済み燃料プール内にある核燃料の冷却や外部への放射能の影響はないという。 
〔写真説明〕能登半島地震の影響で油が漏れた北陸電力志賀原発1号機の変圧器=7日、石川県志賀町
〔写真説明〕能登半島地震の影響で油が漏れた北陸電力志賀原発2号機の変圧器=7日、石川県志賀町
〔写真説明〕余震後に自動停止した北陸電力志賀原発のディーゼル発電機=7日、石川県志賀町

(ニュース提供元:時事通信社)