【イスタンブール時事】イスラエルのネタニヤフ首相は17日、イスラム組織ハマスの壊滅を目指し計画しているパレスチナ自治区ガザ最南部ラファへの侵攻について、「その場に人々を閉じ込めたままでは実行しない」と述べ、避難民らの退避を優先する意向を表明した。エルサレムを訪れたドイツのショルツ首相との記者会見で語った。
 約150万人が身を寄せるラファへの地上作戦は、民間人犠牲者のさらなる増加を招くとして米国などが懸念を強めており、人命重視の姿勢を示し国際社会の批判を和らげる狙いとみられる。一方、これに先立つ17日の会合では「全ての目的を達成する前に、戦争を今やめればイスラエルの敗北だ」と指摘。「国際社会の圧力に屈せず、ラファで作戦を行う」と改めて意欲を強調した。
 イスラエルのメディアによると、ネタニヤフ氏を含む戦時内閣は17日、ハマスとの戦闘休止交渉に臨む代表団を仲介国カタールへ派遣することを巡り協議。代表団は対外情報機関モサドのバルネア長官が率い、18日にもカタールのムハンマド首相兼外相ら仲介国の高官と協議する見通しだ。休戦交渉は今月初めに仲介国とハマスを交えてエジプトで行われたが、イスラエルは代表団を派遣せず、目立った進展なく中断していた。 
〔写真説明〕イスラム教のラマダン(断食月)で初の金曜日を迎えた15日、イスラエルの攻撃で破壊されたモスクの前で、祈りを捧げるパレスチナ人=パレスチナ自治区ガザ最南部ラファ(AFP時事)
〔写真説明〕17日、パレスチナ自治区ガザ最南部ラファで、イスラエルの爆撃により破壊されたモスク(イスラム礼拝所)の前を歩く人々(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)