朝日新聞社社員の偽の名刺を利用し、同社の記者に成り済ましたとして、警視庁築地署は12日までに、私印不正使用の疑いで、神奈川県鎌倉市消防本部職員の野見山大地容疑者(30)=同市岩瀬=を逮捕した。「フリーランスより朝日新聞を名乗る方が取材を受けてもらえると思った」と容疑を認めているという。
 逮捕容疑は4月8日、東京都新宿区の明治神宮野球場で、大学野球の応援団の学生に対し、朝日新聞社の元社員の名前が記された名刺を渡した疑い。
 同署によると、野見山容疑者は4月から同社の記者を装い、複数の大学の応援団やチアリーディング部の学生らに取材を繰り返していたとみられる。不審に感じた大学側が同社に確認し、名刺に記載されていた社員は退職していたことが発覚。同署は、自宅から名刺や腕章を押収し、偽造の経緯などを調べている。
 朝日新聞社広報部の話 元社員の名前を記した名刺を使って虚偽の取材の申し込みをしていたとすれば、誠に遺憾だ。
 鎌倉市の話 コンプライアンス意識を徹底し、再発防止に努める。 
〔写真説明〕私印不正使用の疑いで警視庁築地署に逮捕された野見山大地容疑者(同容疑者のホームページより)

(ニュース提供元:時事通信社)