東京電力管内の家庭や企業を対象とする夏の節電要請が1日から始まった。期間は8月末まで。今夏は、電力の供給余力を示す予備率が安定供給に最低限必要な3%に近い水準まで低下する恐れがあり、政府は無理のない範囲で節電を呼び掛けている。
 西村康稔経済産業相は6月30日の閣議後会見で、「小さな取り組みでも積み重ねれば大きな効果になる。できる限り節電をお願いしたい」と述べた。
 夏場の電力需要は午後にピークを迎え、特に職場や学校から帰宅後の夕方以降、需給が逼迫(ひっぱく)する。家庭の節電では、エアコンの冷房設定温度の引き上げやフィルターの清掃、照明の小まめな消灯などが効果的だ。
 東電管内の今夏の予備率は、「10年に1度の暑さ」を想定した場合、7月に全国で最も低い3.1%に下がる見通し。発電所のトラブルなどが起これば停電のリスクもある。東電管内の節電要請は2022年度の夏と冬に続く措置。政府は他の地域での節電要請は見送るが、全国的に省エネルギーへの協力を求めている。
 経産省は30日、今後1週間(1~7日)の予備率を公表。需給が最も厳しくなる3日も予備率は12.3%で、安定供給を確保できる見込みだ。 

(ニュース提供元:時事通信社)